<学習効果はあった!>

試合は1セット目が1本、2セット目が1本、3セット目が4本だった。今回最大の問題となったのはサーブだった。脳の機能が上がり200本ぐらいは連続で入れることができるようになったので、試合用のサーブの練習は全くしていなかった。驚いたことに試合になると、サーブは前回とは違いミスの連続となった。心臓の機能低下が進んだためプレッシャーでサーブが入らないのだ。昔、丸善スポーツの社長が『若い頃からノミの心臓と言われていて、優勝がどうしてもできなかった』と言ったことがあった。僕も社長と同じノミの心臓になってしまったのだ。

先月の試合で梅澤さんが速いタイプのサーブの返球ミスをしたので、今回は速いサーブを2種類使ったのもサーブミスが多かった原因だった。1セット目の1本は、この速いサーブが初めて入ったとき取っている。しかし、サーブが入らないという動揺が心臓の問題をさらに大きくしたため、試合はズタズタになってしまった。2セット目の1本は、どうやって取ったのか覚えていないほどだ。

状況が変わったのは3セット目になってからだった。試合という状況を学習するのに2セット費やしてしまったということになる。3セット目になると、軽く打てば、サーブが入るようになった。梅澤さんは最初ショートで返していたが、サーブに慣れると回り込んで打って来た。その頃になると、梅澤さんが回り込んで上体を捻りながら、思いきりドライブを掛けているのが見えるようになっていた。ボールの軌道もはっきりと見えた。ドライブはバック側の中央、エンドラインから30センチぐらいのところに着地した。学習効果のおかげで、ライジングをし始めたボールがスローモーションのように見えた。練習通りバックハンドでスマッシュすると、ボールは梅澤さんのフォア側のど真ん中に向かって一直線に進んだ。梅澤さんは一歩も動くことができなかった。『やったね。梅澤さんはショックだろうな』と思った。

2本目を取ったのは、想定通り、梅澤さんがバック側のサイドラインのネットに近いところを切るように速いサーブを打って来た時だった。気がついたらネット際まで回り込んで、バックハンドでスマッシュをしていた。ボールは、梅澤さんのバック側のサイドライン中央よりややネットに近いところに向かって一直線に飛んだ。梅澤さんは一歩も動けなかった。『11キロ増えても動けるでしょうと』言ったら、『あの球はどうやっても返せません』という返事が返ってきた。<続く>

2022/7/12